ご年配の方の中には、ジルコンと申しますと、ダイアモンドの偽物というイメージを強く持っておられる方が多いのではないでしょうか?
今でこそ、キュービックジルコニアなど、人工的に作られた合成石でダイアモンドに似た石がいくらでもございますから、わざわざ天然石の無色ジルコンをダイアモンドの代用、あるいは贋物として使い、質屋を騙してこましたろ、なんて人はいてませんが、そんな合成石の無い時代は、ジルコンという鉱物、特に無色透明の結晶がダイアモンドの代用として、広く用いられていたのです。
ですから今でも質屋の爺さん連中の中には、キュービックジルコニアも含め、ダイアモンドの類似石を全部ひっくるめて、ジルコンと呼ぶ方がたまにおられます。
「けたくそわるい!クソガキがジルコンなんど持てきさらして、この目利きのワシをクサマせるとでも思てけつかんのか、アホンダラが」こんな感じで使われます。ガラ悪質屋!
そんな背景がございますこの宝石の歴史は、どうもなにやら胡散臭いイメージが付きまとい、それを嫌ってか、宝飾品メーカーもこの石を使って積極的に製品を作っていこうという姿勢に欠けていたのではないのでしょうか。
「わっ、この石なに?よう光って綺麗やないの」
「こちらはジルコンでございまして、この石の・・」
「なんや、ジルコンかいな、しょーもな。こんなもん置いてんのアンタとこ?ええんかいな?老舗の名折れやで」
と一昔前ならこんな会話が交わされた事でございましょう。
しかし、キュービックジルコニア、その他もろもろの安価で製造できる、ダイアモンド類似石の登場がジルコンの汚名返上に一役買って、ジルコンも晴れて今では、ちゃんとした宝石の仲間入りと相成ったのでございます。
なにせダイアモンドの偽物として使われたくらいですから、ダイアモンドに近い高い屈折率と分散のお陰でその輝きは非常に素晴らしい。
高屈折率のデマントイドガーネットが値打ちあるなら、こっちかて負けてへんで、という事で近年その人気はウナギ昇り。
さて、そこでご紹介いたします、こちらの指輪でございますが、中石のブルージルコンがなんと9.3キャラットもあるという大物。このブルーのジルコンていうのはジルコンの中でも一番人気のある色だとか。しかも大きい結晶が珍しいらしく、その点からしても、こちらなかなかの掘り出しモノでございます。
とここまでブログを書いたところで、こちらのお品、楽天スーパーセールで売れちゃいました!
やっぱり良いものは足が速いや!
まあ、せっかく書いたので、もったいないからとりあえずアップいたします。なにせ、あんまり出ない石なので、もうブルージルコンをコメントすることもありますまい。なんか淋しい。
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