粋(イキ)なんて言葉は最近あまり流行らないようでございます。
下手に「おっ、粋だね!」とか「小粋なナリしてんじゃねーかい」なんて言おうものなら、一体いつの時代の人間かなんて疑われちゃいますよね。
「いき」あるいは「すい」という言葉の意味はウィキペディアによりますと、
“江戸時代に生じ、時代に従って変転した美意識(美的観念)で、遊興の場での心意気、身なりや振る舞いが洗練されていること、女性の色っぽさなどを表す語”
となっております。
この言葉の逆は野暮という事で、現代で言うところのダサイということになるのでしょうか。
ではこの「粋」という言葉、現代では粋の代わりにどんな風に表現しているのでございましょう?
アカ抜けている?洗練されている?スタイリッシュ?カッコイイ?どれもみんなピント外れなようでしっくりきません。
昨今はファッションも多様化してまいりまして、一概にこれがお洒落、イキで、こういうのはダサイ、つまり野暮だと簡単に選別する事が難しくなってきているのも事実でございます。
今では普通に男性のシャツの着こなしとなっている、シャツの裾をズボンの内側にたくしこまず、外に出して着る装いも、一昔前では「野郎なんてだらしねーカッコしてやがるんだ、近ごろ流行りのフーテンに違げーねー。ひとつとっちめてやらねーと」なんて事でいきなり見知らぬ人に殴られたりしたものです。
この様に時代の流れと粋という事も深い関係がございまして、「時代遅れ」なんて言う言葉通り、その時代、時代にマッチしてなくては、なかなか粋とは言われないようでございます。
さて、それではファッション雑誌の教え通り、時代に即した風体の身繕いをし、流行りのブランドで見の周りを固めればそれでOKかというと事はそんなに簡単なものじゃあない。
そういったキメキメの風体をしていると、人物観察に優れた百貨店やブティックの、いわゆる、お店(たな)者根性というひねくれた視点を待つ店員からは、その肩ひじ張った勇んだ心根を見透かされ、小ばかにされた挙句、絶好のカモとして恰好の餌食にされてしまうのです。
「(おっ、オバハンえらいイキッテもて、小鼻ふくらまして歩いとんで。ええカモや!よっしゃ一勝負かけてこましたろかい) いらっしゃいませ、あら―奥様、素晴らしい指輪で!」
ここで店員が使ったイキルという言葉。これは関西地方独特の下品なスラングでございますが、音声的にはイキに似ておりますが、まったく似て非なる違う意味合い。標準語に変換すれば、粋がって、とでも言いましょうか。無理して背伸びし、虚勢を張ってるサマという風な態度で、粋というより野暮に近いありさま。
成金などと呼ばれる社会階層の方々が、どんなもんじゃいとばかり、大粒ダイアその他大粒宝石をこれ見よがしにお着けあそばし、横柄な態度で店員に接するような行動はその代表的なパターンではないでしょうか。
さて、それでは粋なジュエリー、宝飾品とはどんなものかというのが、これからご紹介いたしますこちらのネックレス。
こちら全長70センチメートルの長めのネックレス。パステルカラーの色違いのセミプレシャスストーンをベゼルセッティングで留め、これをホワイトゴールドのマルアズキチェーンがステーションネックレスの体裁で繋ぐ、いたってシンプルな作り。
「なんや、アクセサリーみたいやん。ダイヤの飾りもないんかいな、折角の宝石やのに、こんなん値打ちあらへんやないの!」
そういう風に思うあなたは野暮な人。
もちろんこんな風なアクセサリーはいくらでもございます。しかももっと安価で。
そこを本物で装おうっていう心根が粋なんでございますよ。
無粋な人には分かりますまいが、本物には本物にしかないオーラってもんがございます。それを知ってこだわる人が粋な人、すなわち粋人てことになるのでございます。
このようなネックレスをさりげなくマーガレット・ハウエルの軽い素材のカジュアルなお召物にでも合わせて頂くと、もう一目で惚れちゃうね。
えっ、惚れいでエエ、爺さんお断り、迷惑てか?エライすまんの
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