不思議の国のカレンの台所

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先日、行きつけのブックオフを訪れますと、タレント、モデルとして活躍されている滝沢カレンちゃんの著書、「カレンの台所」というレシピ本を発見。

休日には独り厨房にて料理作りにいそしむわたくし、レシピの文字につられて何気なく手に取ってみましたところ、これがもうまるで雷に打たれ、竜巻に飲み込まれ、マグマの洪水にのまれたかのごとき衝撃。図らずも地球の中心で優作に成り代わり「ナンジャコリャー!!!」を叫んでしまったのでございます。

このような衝撃を読み物から受けたのは川上未映子の「乳と卵」以来。て、言うても小説の筋なんぞまったく覚えてやんねけどね。

いや、以前からテレビで見かけるカレンちゃんの言動の摩訶不思議ぶりには事あるごとに舌を巻いて感心し、そして心惹かれていたのでありますが、それが実際、文章として活字となり印刷されているものを見るにつけ、この出版社の度量の広さか、度胸の強さか知らんけど、偏に敬服の念を持たずにいられないのであります。ようこんなん出したなー!てね。

そのすごさは、本の帯に記されている日本一のコピーライター、糸井重里氏の推薦文が雄弁に物語っております。

「この人は、日本語をこわしているのではない。あたらしい日本語をデザインしているのだ」                                   

その帯にはまた別のコピー、「読んだら作ってみたくなる!」などと云う凡庸な文句がついでに印刷されておりますが、冗談言っちゃいけない。これは立派な読み物、文学であってレシピなんぞでは全く無かろうが。第一これ読んで料理作れるもんなら作ってみいちゅー話ですわ。なにせレシピ本では絶対必須の、材料や調味料の数量の記載が一切ない。ハナからレシピを諦めてるとしか思えん。

これねー、ま、皆さんにもいっぺん見てもらいまひょ。

 

<豚の生姜焼き>

“私と言えばという人はまだいないのですが、いつかそうなりたい豚の生姜焼きを作りました”

 ― ???カレンちゃん自身が豚の生姜焼きになりたいん?どーゆー事?

<ハンバーグ>

“肉丸たちをフライパンに円卓机で話す家族のように並べていきます。全員が窮屈じゃなく話せているなと思ったらそれをしばらく眺めてください”

 ― しばらく眺める?家族会議のオブザーバーですか?

<中華丼>

“今回はお皿に群がる窮屈な料理になりました。まったく間取り知らずの私です”

 ― 世間知らずはわかるけど間取り知らずって?間取りって、中華丼は何LDKなんすか?

<エビチリ>

“本日は真っ赤な沼で楽しむエビチリを作りました。エビチリのチリにあまり強がりにならず、勇気をもって気を抜いていきましょう”

 ― 強がらず勇気をもって気を抜く?武道の神髄ですか?

「カレンの台所 (サンクチュアリ出版)」滝沢カレン(著)より引用

 

どーです!しかも、これらの文が特に突出して目立っているわけではなく、たんなるランダムな抜粋。全編がこのような糸井先生が言うところの「あたらしい日本語」で綴られているからもの凄い。

ジャズのジャンルにフリージャズという分野がございます。ジャズ自体がすでにアドリブを主体とする即興演奏中心のかなりな自由な音楽なのですが、それにさらにフリーがオプション追加されているんで、ハッキリ言って自由気まま、無茶苦茶の一歩手前、いや無茶苦茶そのもの。

さて、このフリージャズの日本における第一人者がピアニストの山下洋輔氏なわけで、ピアノの鍵盤に肘打ちを食らわせたり、額でパッチギをお見舞いしたりと、その演奏スタイルはあたかも狂気の沙汰も金次第。もちろん奏でられる曲?も雑音と紙一重。

しかるにこの山下氏はまた、なかなかの文筆家でもあらせられ、エッセーの類などを結構数多く著わしておられます。しかし、そのエッセーにおける文章たるや、まことにノーマル。氏の狂気に彩られた演奏の片りんすら伺えません。これは何を意味しているかというと、ピアノの演奏においては、作為の狂気でもって演奏しておられる、つまりワザと頭で計算ずくで狂気を演じている、例えるなら藤山寛美のアホ芝居と一緒なわけでございます。

ところがこのカレンちゃんの文章たるや、変態ジャズピアニスト、セロニアスモンク同様、なんの衒いや作為のない、天然不協和音、ホンマモンのパワーが感じられるのです。

カレンちゃんは最近ご結婚なさったとかで、実におめでたいことでございます。このような特異な才能の持ち主にして、尚且つ当然ですが見目麗しく、料理上手でございますれば、生涯の伴侶となられし男性はまさに天下一の果報者。羨望の念を禁じえません、妬ましいー!

さて、本日ご紹介のお品は、カレンちゃん同様その内に素晴らしい輝きを秘めた水晶のペンダントでございます。

水晶の珠というものは霊的パワーがあるなどと古くから言われ、様々な呪術やスピリチュアルな儀式等に用いられてきた歴史がございまして、現在でも多くの方がお守りとして肌身離さず身に着けたりなさっております。

こちら、ご覧いただいておりますルチレイテッドクォーツはその名前が示すように、内部に金色に輝くルチルという鉱物の針状の結晶が含まれております。

このルチレイテッドクォーツ、その金色に輝く針状インクルージョンにより、金運をもたらすという風にスピリチュアル関係では言われておるようですが、そのような不確かなことは一先ず脇に置いておき、ご覧くださいこの細工。丸いクォーツの珠をさらに縦方向均等に上下に幾本かの溝を刻み、まるで球体のカボチャのようなクラシカルな外観。そしてそのカボチャを吊るし、チェーンにつなぐ役割のバチカン部分がこれまた変わっている。映画エイリアンのデザインを担当したH・Rギーガーの不気味なデザインを彷彿とさす、神秘的悪魔的な雰囲気。このようなペンダントは夜のお出かけでその威力が発揮することでございましょう。シャンデリアの照明や、ホテルのナイトラウンジの間接照明の下、クラシカルなカービングを施された球体の内からキラリ輝く鋭いゴールドのニードル。いかにもこれから始まるドラマを予見している風情ではございませんか。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11004892/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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